5/31〜の教室ノート
●緊急事態宣言の延長により、6/20まではオンラインにて対応させて頂きます。
皆様どうかご協力ください。
●来週の月曜日(6/7)~木曜日(6/10)まで全国指導者研究会がオンラインにて開かれます。朝から晩まで沢山の講義や実践があり、一年に一度全国の指導者が会して研究検討がなされる場です。
また多くのことが学べ、皆様により良きことを与えられるよう学んでまいります。その為、月曜から水曜日まではお休みとなります。
●2年前にノートに書いたことです。読み返しても今も共通する話題なのでしつこいですがお読みください。
私の同僚である関東地区の指導者が共感できる文章をノートにも書いたとのことで、皆様にもお読み頂きたく思います。
スズキ・メソード では『おさらい』を大切にしていて、新しい曲のレパートリーを増やすよりも、もう合格した曲をさらに立派に演奏するために、深めて練習することの方に重きを置いています。
それでもやはり、新しい曲にばかり気を取られている人が大勢います。
『巻数を進んでいる子が上手い!』
と勘違いしているからです。
たまに、『うちの子は進みが遅いので、予習したいから次の部分の弾き方を教えてほしい』
という親御さんがいますが、予習する暇があったら復習した方が上手くなるのは勉強もバイオリンも同じです。
トントン拍子に進んでいる子の1巻、特にキラキラ星の完成度は、『リズム、音程、音色』全てにおいてとても高いことをなかなか理解してくれません。
そして、トントン拍子の子は、先週合格した曲を次のレッスンでもう一度弾かせると、さらに良くなっています。
曲数をこなしている人が上手いわけではありません。
オシャレな洋服を毎週次々と繰り出してくるファストファッションのお店がありますが、2回目に着た時外で縫い目が破れて酷い目にあったことがあります。
ファッションは流行り廃りがありますから一度着れれば良いかもしれませんが、音楽は品質の悪いものを次から次へと繰り出しても意味がありません。
バイオリンのコンクールは課題曲というのがあります。
全員同じ曲で、その曲の完成度で勝負します。
その人がその曲の他にあと何曲弾けるかは全く関係ありません。
1巻の曲で構わないので、『弾けた!』というところで練習をやめずに、さらに精度を上げていくことです。
そうすると自分の中の基準が上がります。
『上手になる』ということは『自分の中の基準を高めていく』という事です。
キラキラ星は簡単だから精度が高いけど、ビバルディ は難しいから精度が下がるということはありません。
その人の『精度レベル』はどの曲でも同じです。
クオリティの低いビバルディを弾く人は、キラキラ星のクオリティも同じように低いです。
一見弾けている風の『ふわっとした音程』と『ふわっとしたリズム』『発音の曖昧なこすっているだけの音色』でキラキラ星を弾いています。
ということはキラキラ星のクオリティを上げれば、上手くなるということです。
弾ける曲数などにこだわるのではなく、姿勢や身体の使い方などの一生物の技や、質を上げることの方に注目している人が上達する人ですね。
スズキの教本は曲数が多く、弾いている本人も気づかないくらいちょっとずつちょっとずつ難しくなっていきます。
しっかり復習していれば自然と実力もつき、新しい曲を難しく感じることはありません。
もし、新しい曲を難しいと感じたら、苦労して無理やりその曲を練習するより、キラキラ星からもう一度やった方が早いということです。
どうぞ頑張ってください!